長崎教区典礼委員会 ngstenrei.exblog.jp

見えないかたの姿を求めて


by nagasakitenrei

しるし

典礼祭儀の中で用いられるシンボルや動作は「しるし」と呼ばれます。それは、具体的な「もの」「こと」として、見えないものを見えるように表すからです。「しるし」はそれ自体が人に何かを伝える力を持っています。たとえば、パンは食べ物であり、食べ物はいのちの源で、生きる力を与えるものである、という具合です。
ところで、典礼で用いられる「しるし」には特に三つの内容があります。一つは「神さまによって造られたもの」であるということ。水、油、パン、ぶどう酒など身近なもので、「神よ、あなたは万物の造り主」ということばでも表現されています。第二は「神さまと人との約束のしるし」であるということ。「聖別」や「ささげもの」、「救いの出来事を記念する祭」はこれをよく表しています。そして第三は「しるしにはキリストが明かされた新しい意味がある」ということ。たとえば、聖体のパンとぶどう酒がささげられたキリストの肉と血である、とはキリストのことばによって初めて人に知らされたことです。
「しるし」がキリストの光に照らされて伝わっていく典礼祭儀や信仰教育を目指したいものです。
by nagasakitenrei | 2007-04-25 09:47 | 典礼と秘跡