共同司式ミサとは、複数の司祭が共同で司式するミサのことをいいます。その原型は司祭が自分の司教とともに行う共同司式です。「共同司式は、祭司職が一つであること、いけにえが一つであること、そして神の民全体が一つであることを適切に表現」(「ローマ・ミサ典礼書の総則」199)しています。そのため、叙階式ミサや聖香油のミサでは共同司式が規定されています。共同司式ミサはミサが教会のわざであることの見えるしるしなのです。
準備にあたっては次のような点に留意します。①主司式者はだれか。共同司式するのはだれか。人数を含めて確認し、司教がいてバクルス(杖)やミトラ(司教帽)を使う場合はその置き場所も考慮します。高齢や病気のため行列に加わらないで共同司式する司祭がいればミサが始まる前に席に案内します。②祭服はあるか。正当な理由がある場合、主司式者以外はカズラを省くことができます。③共同司式司祭の席はいくつ、どこにもうけるか。入退堂や聖体拝領の際に移動しやすいよう動線に配慮します。④共同司式司祭の典礼書は必要か。必要に応じてマイクロフォンも準備します。⑤パンとぶどう酒は十分か。パテナ、カリス、コルポラーレ、プリフィカトリウムは必要な数準備されているか。なお、大きなホスチアはパンが分けられるシンボルですから、主司式者と同じものを共同司式司祭の人数分準備する必要はありません。⑥会衆の聖体拝領奉仕に必要な数のピクシス(チボリウム)があるか。
助祭がいない場合は共同司式司祭が助祭に固有のつとめを分担します。福音朗読や平和のあいさつの呼びかけ、閉祭の派遣のことばをだれが受け持つのか確認しておくと安心です。一方で、奉仕者がいない場合をのぞいて、共同司式司祭が大勢いるからといって信徒の奉仕の役目をすべて共同司式司祭にまかせるのは避けます。
大規模な共同司式ミサや叙階式などの他の儀式を伴うミサでは、典礼全体を統括する式典長が任命されていると思います。ミサの前に共同司式司祭に式次第を説明し、役割分担や聖体拝領の手順などを確認します。その他の準備として、大人数の司祭が着替える場所やミサ中の司祭の荷物の管理にも配慮が必要です。
(『家庭の友』17年8月号より)
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by nagasakitenrei
| 2018-09-18 09:39
| エウカリスチア